福音とは何でしょうか?

マタイ福音書連続講解説教23  マタイ10章5~10章15節
「メシアによる12使徒の派遣―その②」

{メッセージからの抜粋}

 

主イエスは、十二使徒をガリラヤの町々へ派遣されました。
メシアにしか出来ない奇跡を行使する権威を彼らに与えることにより(8節)、彼らの語るメッセージの信憑性もまた保障されました。

そのメッセージとは、「天の御国が近づいた」というものです。
これは、バプテスマのヨハネが語ったメッセージと同じです(マタイ3:2)。
またイエスご自身が語られたメッセージでもあります( マタイ4:17)。
そしてこのメッセージが「福音」であると言われます(マルコ1:15)。

❶福音の由来について。
ギリシャ語では「ユーアンゲリオン」、元々「良い知らせ」という意味です。
古代都市国家において行われた戦争の勝利を知らせる際に使用された言葉でした。
戦地で行われた戦争の結果を知らせるため、代表者が故郷の町まで走ります。
報告如何よって町全体の運命が決します。
敗北なら征服され奴隷の辱めを受けるか、あるいはその町を去らねばなりません。
勝利なら凱旋する自国兵士たちを受け入れる準備をすれば良いのです。
マラトンの野でペルシャ軍と戦ったアテネ兵士が勝利の報告のために走った話は有名です。
報告直後に力尽きてその兵士は死んでしまいましたが、アテネ市民は勝利の歓喜に湧き上がりました。
その兵士の走った距離が42キロ余り、この故事からオリンピックのマラソン競技が始まりました。
その兵士が運んだメッセージこそ福音、ユーアンゲリオンなのです。

❷主イエスの宣教時代の福音
「天の御国が近づいた」が福音です。
ここでいう「御国」とは、旧約聖書が預言している理想郷です。
この地上にメシアが世界の王として君臨・統治することにより、世界の人々が戦争や飢餓、あらゆる病などから解放され平和で豊かな祝福を享受する預言です。
ユダヤ人達はそれを「メシア王国」と呼びますが、異邦人達は黙示録にそれが1,000年間続くことが啓示されていることから「1000年王国」とも言っています。
今やそのメシア王国の実現が近づいたのです。
メシアであられるイエスが地上にお出でになられました。
ユダヤ人がこれを預言の成就であることを理解し、イエスをメシアとして受け入れていたのなら、今から2000年前に地上にメシア王国が誕生していたのです。
「近づいた」とは完了形の言葉です。王国成立に限りなく近づいた時代でした。

❸現在の福音
ところがユダヤ人がメシアを拒絶して、十字架につけてしてしまったが故に、王国の実現は遠くへすっ飛んでしまいました。メシア王国は、次のイエスの再臨まで待たねばならなくなりました。

時代が進んでさらに新しい啓示が与えられると、福音の内臓しているメッセージも進展して行きます。
「もっとも大切なこと」として、福音の三要素が記されている聖書箇所があります。

3 私があなたがたに最もたいせつなこととして伝えたのは、私も受けたことであって、次のことです。キリストは、聖書の示すとおりに、私たちの罪のために死なれたこと、
4 また、葬られたこと、また、聖書の示すとおりに、三日目によみがえられたこと (1コリント 15:3-4)

現代に生きる私たちは、
⑴自らの罪を理解し、その罪を赦すためにイエスが十字架で死なれたこと
⑵完全な死を通られて、葬られたこと
⑶ 3日目に新しい体でよみがえられたこと
この3つの福音の要素を事実として受け入れることが、メシア的王国で生きることにつながります。