聖書は地獄について何と教えているでしょうか

マタイ福音書連続講解説教26  マタイ11章16~24節

メシアへの応答―その②:ガリラヤの町々」

 {メッセージからの抜粋}

 

 

今日は、地獄についての話です。

地獄とはそもそも、

本当に存在するのでしょうか?

それは、人々が勝手に考え出した観念に過ぎないと考える人も違います。

 

ところが、聖書は明確に地獄の存在を認めています。

今日の箇所で、イエス様が教えられました。

 

「カペナウム。

どうしておまえが天に引き上げられることがありえよう。

ハデスに落とされるのだ。」(23節)

 

ここでことわらねばなりませんが、

地獄(英語ではHELL)という用語自体は

聖書の書かれた言語である

ギリシア語にも、ヘブライ語にはありません。

 

それはゲルマン系語族の用語です。

用語は無くても、概念はあります。

 

人が死んだ後に行き着く所として

「ハデス」(ギリシャ語)がある

と新約聖書は教えています。

 

そのハデスとは、

旧約聖書では「シオール」(ヘブライ語)

に相当する場所です。

 

これは旧約聖書の詩篇16:10を引用している

新約聖書・使徒2:27と比較することから

そのように結論付られます。

 

「あなたは私のたましいをハデス(詩篇ではシオール)に捨てて置かず、

あなたの聖者が朽ち果てるのを お許しにならないからである。」 (Act 2:27 )

 

ここでは正確に字句をそのまま引用している引用事例であり、

「シオール」がそのまま「ハデス」に置き変えられているのです。

 

これらは、死者が行きつくところです。

 

「ハデス」が出現する新約聖書箇所は、そう多くありません。

 

「カペナウム。どうしておまえが天に上げられることがありえよう。

ハデスに落とされるのだ。おまえの中でなされた力あるわざが、もしもソドムでなされたのだったら、

ソドムはきょうまで残っていたことだろう。 」マタイ11:23

 

「ではわたしもあなたに言います。あなたはペテロです。

わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てます。

ハデスの門もそれには打ち勝てません。 」マタイ16:18

 

「カペナウム。どうしておまえが天に上げられることがありえよう。

ハデスにまで落とされるのだ。 」ルカ10:15

 

「その金持ちは、ハデスで苦しみながら目を上げると、

アブラハムが、はるかかなたに見えた。

しかも、そのふところにラザロが見えた。」ルカ16:23

 

「あなたは私のたましいをハデス(詩篇ではシオール)に捨てて置かず、

あなたの聖者が朽ち果てるのを お許しにならないからである。」

使徒2:27,31

 

「生きている者である。

わたしは死んだが、見よ、いつまでも生きている。

また、死とハデスとのかぎを持っている。」黙示録1:18

 

「私は見た。見よ。青ざめた馬であった。

これに乗っている者の名は死といい、そのあとにはハデスがつき従った。

彼らに地上の四分の一を剣とききんと死病と地上の獣によって

殺す権威が与えられた。」黙示録6:8

 

「 海はその中にいる死者を出し、

死もハデスも、その中にいる死者を出した。

そして人々はおのおの自分の行いに応じてさばかれた。

それから、死とハデスとは、火の池に投げ込まれた。

これが第二の死である。」黙示録20:13,14

 

これらの聖書の箇所から、次のことが明らかとなります。

 

❶信者も罪人も共に死後に行くところ(ルカ16:23)

 

❷霊魂が意識を持って存在しているところ

彼は叫んで言った。『父アブラハムさま。私をあわれんでください。

ラザロが指先を水に浸して私の舌を冷やすように、ラザロをよこしてください。

私はこの炎の中で、苦しくてたまりません。』 (ルカ16:24 )

 

❸方向性は常に下向き

「ハデスに落とされるのだ。」(マタイ11:23)

「シオール」の言及箇所から地球内部に存在するものであのがかわる。

 

❹一時的な場所(黙示20:13,14)

やがてハデスはゲヘナ(火の池)に投げ込まれて消滅する

 

❺二つの区分がある場所(ルカ16:23)

ⅰ 狭義のハデス~不信者(ここでは金持ち)が行くところ。

ここが一般的に「地獄」と考えられているところか? 最終的な不信者の行き場所はゲヘナであり、

そこでは永遠の苦しみが待つ。

 

ⅱ 広義のハデス=「アブラハムのふところ」~信者の行くところ(ここではラザロ)であり、

主イエスも3日間そこにおられた。そこはイエスによって「パラダイス」とも呼ばれている。

 

 

ここまでは人間の死後に関わる場所ですが、

悪霊が行く場所については

どのように教えているでしょうか?

 

❶アビス(ギリシア語ではアブソス)

これは、一般堕天使が捕縛されている場です。

現在は地上をのさばって暗躍してる悪霊たちは

千年王国の前に一匹残らずに捕らえられて

アビスという穴に葬られます。

その後、最後の裁判を受けてから

ゲヘナで永遠の責め苦を受けるのです。

「 悪霊どもはイエスに、底知れぬ所(アブソス)に行け、

とはお命じになりませんようにと願った。」 (ルカ8:31) 

 

「第五の御使いがラッパを吹き鳴らした。

すると、私は一つの星が天から地上に落ちるのを見た。

その星には底知れぬ穴(アブソス)を開くかぎが与えられた。

その星が、底知れぬ穴(アブソス)を開くと、

穴から大きな炉の煙のような煙が立ち上り、

太陽も空も、この穴の煙によって暗くなった。」(黙示9:1~2)

 

❷タータラス

これは、ノア時代の堕天使が捕縛されている場です。

メシア誕生を阻止するため人間の女性と雑婚し、

ネフィリムという悪霊と人との合いの子を作り出した堕天使どもです。

その非常事態に神様は大洪水という手段でノア達を救い、

人間の存続を守られました。

当事者となった悪霊どもを地上にのさばらせることは望まられず、

タータラスという闇の中に葬ったのです。そこからは一時解放されることなく、

ゲヘナへ直送されます。

「神は、罪を犯した御使いたちを、容赦せず、

地獄(タータロス)に引き渡し、さばきの時まで暗やみの穴の中に

閉じ込めてしまわれました。 また、昔の世界を赦さず、

義を宣べ伝えたノアたち八人の者を保護し、

不敬虔な世界に洪水を起こされました。」

(2ペテロ 2:4-5)

 

「また、主は、自分の領域を守らず、自分のおるべき所を捨てた御使いたちを、

大いなる日のさばきのために、永遠の束縛をもって、

暗やみの下に閉じ込められました。 」(ユダ 1:6 )